Fishing in New Zealand
Mar 30 - App 1 ,2006

まえがき
NZへは2回目。1回目は、急きょ1日だけの釣り、それも何も準備していない状況 だった。今回はリベンジを果たすべく行った。スケジュールは、3/28〜4/3。シンガポール航空を使ったので釣りが出来るのは、3/30〜4/1の3日間だけ。NZでお世話になったのは、Mr&Mrs Smith。Thank you very much!!

持って行ったものは、釣りに特化したもののみ。以下にリストアップしときます。

  ・ロッド  Orvis HLS 9' #9   Orvis HENRY'S FORK 8'6" #5
  ・リール  Orvis BATTENKILL DISK 7/8   Orvis CFOV
  ・ライン  WF8F & ST9S Type4, ST10S Type4   WF5F & WF6F & WF6F/S
  ・フライ  自作もの(多数)
  ・リーダー  #4の12ft ナイロン
  ・ティペット  フロロカーボン 1.5号
  ・その他  ランディングネット(径60cmこれ位大きいのが必要)、ウエーダー、ブーツ、レインギア、手袋、偏光グラス、小物

今回は、湖と川を予定していたが結果として湖のみとなった。このため#5ロッドは使わなかった。釣りをした湖の名前は残念ながら覚えていない。3日目のは確かアーサーズ・パスの近くにある湖 だったと思う。 NZ2回目のため方角や位置、地名などはさっぱりですわ。

湖でのラインシステムは、日本でいうF/S(世界でも言うのかも)。まず#8Fの先端2mをカット。そこにST9SまたはST10Sを自分で決めた長さにカットしたものをジョイントしてF/Sを作る。ウエーディングでの釣りのため湖の形状(岸からの深さ)により使い分けるという作戦である。そして、底から順に水面へと長さを変えていき魚がいる棚を探ろうという寸法。

何故、#9ロッドに#8ラインかって疑問もあるだろうけど、ただ単に#8ロッドを持って行ったつもりが#9だったってこと。間違えてパッキングしちゃったわけ。経験上、#8ラインであれば#8ロッドだろうが#9ロッドだろうが気にすることはないことは分かっていたので狼狽はしなかった。本当は、縁起を担ぐために北海道でサケを釣った#8パワーハウスを持って行くつもりだった。

また、なぜ#8ラインの先端2mをカットするかって言うと、これはただ単に北海道でサケを釣った時のラインシステムをそのまま使っただけのこと。別に何mでもOKじゃないの? 自分に扱いやすい長さで。先端につけるシンキング部分がST9またはST10Sなのは、スペイ用のをそのまま使っただけ。でも、カットした長さは熟考して50cm、1m、2m、2.5m、3m、3.5m。Type4を使うのは早く沈めたいだけ。 せっかちですから。

ちょっと気になったラインカラーだけど、ガイドのニール(前回、ガイドしてもらった)やHPで調べでもフローティングは、ダーク系と主張していた。私は、経験上そんなこと まったく気にする必要がないと思っているのでグリーン(黄緑色)の鮮やかなやつを持って行った。よく目立つオレンジ色でも良かったんだけどあいにく#7Fしかなかったので持って行かれなかった。

一番困ったのがフライ。前回フライショップを覗いてみて色々チェックはしたがどれも釣れそうな気がしないものばかり(ストリーマーの話)。私の感性に訴えるものが無かった。NZで通用するかどうか分からないが今までの経験上の集大成を#8フックに巻いて持って行った。その他、使うかもしれないと思い色々巻いて持って行った。

 

3月30日(木)
朝7時にMr Smithにピックアップしてもらい一路北へ(だと思う)。約2時間後、目的地の湖に到着。見た感じとても良さそうだ。ブラウンが釣れるとのこと。早速、支度をして歩いてポイントに向かう。秋だとはいえとても寒い。温度計では5度。日本で買っていったFox Fireの手の甲だけある手袋が非常に役立った。暖かい。

まず、2.5mのシンキングを付け、フライは、オリジナルブラックカラーでやった。深さはドンぴしゃでごくたまに底に生えている藻を引っかけてくる程度。藻は非常に良い状態で期待が持てた。

膝上までウエーディングして黙々とキャスト。フライをオリ−ブ色、茶色と色々変えてみるがアタリがない。そろそろ棚を上げようかと思っているところに彼が場所を変えようと提案。それに従った。

車で来た道を戻り途中で曲がって先ほどの湖と同じ位の大きさの湖に到着。天気は、素晴らしく良く朝と比べると気温は上がり快適。まずランチをとることに。彼が色々支度してくれて助かった。日本から持って行ったカップラーメンを彼にも食べてもらい美味しいと言ってもらえたので嬉しかった。

食後、遠浅になっている場所でライズがあるのでそこをドライでやってみることに。彼は、ボディーがグリーンぽいハンピーを私は、ロイヤルアトラクター#10を使った。風が強くなってきたが黙々とキャスト。全然違う場所でライズする ので憎ったらしい。

違う場所に移動する。同じ湖だが鳥が一杯集まっている小さなワンドだった。経験上、鳥が一杯いる所では釣れないと私は思っている。私たちが行くと鳥たちは一斉に逃げ出した。逃げ出したと言っても私たちからより離れただけ。

ここは、ちょっと急深そうに見えたので3.5mシンキングに変更。フライは、オリーブ色。キャストして様子をうかがう。どうも底の藻を良く引っかけてくる。かといって3mのシンキングに変更すると底がとれない。ティペットをヒトヒロ半に変更。丁度良くなった。しかし、風が強くまともにキャストできない。#9ロッドのため何とか風に負けずに振れているだけ。ループをタイトにして黙々とキャスト。

ンン!?急に重くなった。何か枝でも引っかけたかな?そんな感じ。近くまで慎重に寄せてきたら急に魚の感触に変わった。慎重に慎重に。NZで初物になるかもしれない。銀ピカの魚体が見える。何だろう?そんなに大きくはない40cm弱。レインボーに比べれば遙かに引きは弱い。慎重にランディング。やった!!初物。嬉しさが体の中から湧いてくる。彼と握手して写真を撮ってもらう。

もしかするとシルバーサーモンかもしれない。ただ鱗がそんなに取れないので違うかも。

釣れることが分かったので俄然やる気が。おれって現金な奴だとつくづく思う。しばらくするとまたアタリが。明らかにデカイと分かる首振り&鈍重さがラインを通して伝わってくる。慎重に慎重に寄せてくる。まだ姿は見えないがデカイってことは分かる。アッ!急にラインが軽くなった。バレた!!チッキショー!

ラインをたぐり寄せ・・・・あれ?どうなっているの?シンキングの部分が無い!ああああ・・・・やっちまった。気を取り直して持ってきたシンキングをチェック。#9Sのみスポッと抜ける。ヤバ!#10Sを使うしかない。ただ#9と#10とでは長さが同じでも沈む深さが違う。 あるもので対応するしかない。

#10Sの3mを付けて再チャレンジ。沈みすぎる。2mはあっても2.5mは無い。2mに変更してやったがしっくりこない。そうこうしているうちに夕方5時。タイムアップとなってしまった。

ま、初日としては上出来である。色々学習した。宿に帰ってラインシステムを見直そう。しかし、予備の#9Sを持ってきていないのでラインのロストは痛い。

 

3月31日(金)
朝7時にMrs Smithにピックアップしてもらい湖へ。約2時間後、目的地に到着。ここは私有地内にあるため幾つものゲートを越えて来た。ちょっと小雨が。支度をしてポイントまで歩くことに。湖を見下ろすと浅い!全体が浅い!底が見えている。所々黒く見えるのが藻か?

すぐ近くでメーメー羊が鳴いている。羊の糞がそこいらに。別に気にならないので問題なし。さて、ここはどれ位の深さか。目測で2.5m。早くも風があるので振りにくい。着水後、しばらく待ってリトリーブ。しかもゆっくりリズムをとって。コンコンッ!軽いアタリ。お子ちゃまだ。いるいる。このシステムでバッチリ。

たまに、お子ちゃまが挨拶するも親が来ない。フライが大きいのか?いやいや違う。たかが#8だ。

しばらくやっていると強烈なアタリ。フライだけ持っていってしまった。しまった!普通は、リーダーとティペットの結び目から切れるんだが・・・。気のゆるみからか チェックを怠ったために起きたことなので悔いが残る。普段は、数投すると必ずフライとティペットの結び目やティペット自体をチェックする。これをしなかったために随分苦い思いをしてきた。本番でやっちまったミス。悔やまれる。

しばらくしてからランチに。今日は、彼女がサンドイッチを作ってきてくれた。これがまた美味しい。2ついだいた。この時間になると天気は回復して晴れてきた。素晴らしく気持ちがいい。

午後も、同じ場所でやる。アタリが遠のき少しずつ移動してやるもダメ。午後3時。タイムアップ。

ここでは、悔いが残った。次回かならずここでリベンジ!ただ、自信が付いてきた。私のやり方やフライはNZでも通用する!!

帰り、小さな川で釣りをする様に勧められたがお断りした。あまりにも川が小さく#5ロッドではちょっと。#2〜#4の7’前後でないと。次回来るときは、番手の低いショートロッドを必ず持ってこよう。

 

4月1日(土)
朝5時にピックアップしてもらった。今日は、Mr&Mrs Smithと3人で午前中だけの釣り。目指すは、湖。知らないところ。約2時間後、到着。しかし、水位がメチャクチャ下がっている。朝から強風。しかし、ここは良く釣れたとのこと。最後の日なので気合いを入れる。

歩いてポイントに向かう。既に2人ルアーをやっている様だ。ちょっと深そう。3mのシンキングにするが沈みすぎるので2.5mに変更。ティペットの長さを調整してバッチリ。

ここは、全体に浅い様だ。ドッポンドッポン!!何がライズしているのか分からないが結構大きな魚がジャンプしている。しかし、かなり沖なので届かない。居付きか回遊の魚を狙うしかない。

黙々とキャスト。コンッ!アタリがある。ググッー!アッ、はずれた。いるいる。これなら釣れる。ちょっと焦っているのか合わせが早いので合わせをゆっくりする。

風が更に強くなってきた。まともに振れないためバックキャストに変更。この時ほど#9ロッドで正解だったとつくづく思った。キャストしても強風のためラインがすぐたわんでしまう。メンディングしながらゆっくりリトリーブ。コツッ!慌てない。ゆっくり合わせる。ググッ!ラインが引き込まれる。よし乗った。

ジャンプ!ジャンプ!ワッ、デカイ!ばれない様にロッドを水中に突っ込む。竿を立ててやり取りするとこういう場合、バレやすい。引く引く!ピンクのほっぺが見えた。レインボーだ。やった!一番好きな魚だ!なかなか寄ってこない。

弱ってきた様なので慎重に寄せる。ネットですくう。やった!デカイ!50cmオーバー。まるまるした雌だ。レインボーの筋が綺麗だ。しかもひれピン。こんなグッドコンディションのレインボーは、生まれて初めて釣った。30年近く前、日光中禅寺湖で釣り人に見せてもらったレインボー以来だ。素晴らしい!!

近くにいたはずの彼がいない。何処に行ったんだろう。せっかく自慢したかったのに。レインボーの写真を数枚撮っているところへMr&Mrs Smithがやってきた。魚の重さを量ってもらうと1.7Kg。凄い!こいつは食べるためにキープ。

その後、3人で釣り開始。すぐにアタリがあったが、合わせが早かったのでバレてしまった。アーーッ学習していない!しばらくするとまたアタリが。ゆっくり合わせる。乗った!

今度は、さっきのレインボーより引きが強い。それにジャンプしない。何だろう。ブラウン?あああ・・・・・ラインが出て行く。ラインだけでやり取りできないので余ったラインを素早く巻き取る。リールでのやり取りなんて北海道のモンスター以来だ。強烈な引きだ。過去のいやな思い出が頭をよぎる。そんなんだけは止めてくれ。祈りながらこらえる。

しばらくするとジャンプ!レインボーだ!素晴らしい魚体だ!ロッドを湖に突っ込みながら慎重にやり取りする。彼が来て写真を撮ってくれている。サンキュー!だいぶ弱ってきたので一気に寄せる。アッ、ランディングネットがない。さっきのレインボーを入れたまま違う場所においてある。

彼のネットを借りた。レインボーをすくおうとするがネットが小さすぎる。アッ入らない。 ネットが小さすぎる!やばい!バレルかもしれない。何とかネットに入れることが出来た。ホッ。Mr Smithサンキュー!見事な雄のレインボーだ。写真を撮ってもらいリリース。

その後、40cm弱のサーモン(シルバー?)を追加してタイムアップ。

ランチの時、Mr&Mrs Smithに講釈をたれさせてもらった(えらそーにゴメンね)。風は強いが晴天!私は、なんて恵まれているんだ。感謝!

 

あとがき
Mr&Mrs Smithには大変お世話になりました。ありがとうございました。機会がありましたらまた、一緒に釣りをしましょう。
(Thanks to Mr&Mrs Smith, I could enjoy fishing in NZ. Let's enjoy fishing together again!)

今回、学習したことをリストアップ。

・日差しが強いので必ずサングラスまたは偏光グラスを掛けて釣りをしないと眼球が痛くなる。また、日焼けも気をつけてね。

・風が強いので湖の場合、#8以上のロッドを使用する。

・フライが振れる場所が少ないのでスペイキャストが出来ると効果的に思われる。

・ラインカラーはやはり何でも良いことが分かった。

・使用するフライは、特別のものは必要ない。日本で使っているものと同じでよい。

・F/Sシステムは、立ち込んでやる場合、NZでは特に有効。なぜなら急深な場所がほとんど無いため。遠浅が多い様だ。

・朝と昼との温度差が3月下旬、4月上旬は激しい。ダウンを持って行って正解!!

・予備のラインは必ず持って行くこと!

・湖での釣りではラインバスケットは必持!!湖面に落ちたラインはかなり抵抗があるため飛距離に影響する。

 

必ずまたNZへ釣りに行く。今度は、最低2週間いや10日以上行きたい。日本からNZへの移動にシンガポール航空を利用すると往復に約4日つかってしまうため 実際に釣りをする期間が短くなってしまうからだ。NZ航空を使えばもっと早く着く。しかし、よりサービスのよいシンガポール航空は、旅を満喫する上でも外せない。

最後に、今回使った自作フライの名付け親にMrs Smithがなってくれた。"God Father"に決定。Thank you very much.

 

God Father

このフライは、私が今まで釣りをしてきて出来上がった集大成的なものです。カラーは、ブラック、ブラウン、オリーブを気分で使い分けています。何処へ行ってもこれを使います。以下に作り方を。

材料

フック: #6,#8,#10 Mustad 79580 (私は通常、#8を使います)

マテリアル: マラブー、ヘンフェザント、シルバーワイヤー

作り方

1.フックにシルバーワイヤーを取り付けます。シルバーワイヤーは、補強用に使うのであまり細いと切れてしまいます。丈夫なやつでね。

2.テールにマラブーを付けます。この時、重要なのがバランス。そして、マラブーを止めた残りをカットしないこと。これがボディーの一部になります。また、マラブーの量ですが、私は多めにします。これは、少なめにした方が動きが良いからと少なくする方がいらっしゃいますが少ないと使っているうちに短くなってしまうのが嫌だから 。

3.マラブーを止めた残りをボディーとするために、残りをフックに巻きつけます。私は、残りのマラブーをまずねじってから巻きつけます。巻きつけると短いため途中で終わってしまいますが気にせずそこで止めます。

4.ヘンフェザントを1枚とって根元の部分をフックに付けます。それをフックに巻きつけます。このとき注意するのがフックのアイ近くでちょうど巻き終わるように調節しながら巻くことです。根本の部分は羽の芯が太くて堅いので巻きにくい 。丁寧にね。
このフェザントの根元部分のフワフワは、むしってはいけません。これがこのフライの命です。

5.シルバーワイヤーを逆巻きに力強くフックアイまで巻き止めます。この時、出来るだけフワフワを巻き込まない様に注意します。

6.シルバーワイヤーで巻き込んだフワフワを先のとがったもので優しくほじります。あまり力強くやるとフワフワが切れちゃいますので注意!

Good Luck!!

■追記

帰宅後、父親から「そんな高い金出してまでNZで釣る必要があるのか?」と言われた。必要かどうかを問われれば必要ない。しかし、NZで釣りをする意義は、写真を見てもらえればわかる。自然が素晴らしいのだ!!日本と違ってゴミは落ちていない。釣り場に人や車が少ないためおおらかに釣りを楽しめる。また、ルールがしっかりしているため安心して釣りが出来る。金銭の多寡ではない!!

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